出産後5日間のストレス詳細とストレス反応の経時的変化 : 高齢初産婦と適応年齢初産婦との比較検討

概要

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35歳以上の高齢初産婦の出産後5日間におけるストレス反応,およびストレス内容の経時的変化を明らかにすることを目的に,高齢初産婦とコントロール群に対し,エジンバラ産後うつ病調査(EPDS)および唾液中アミラーゼ値測定を実施した。ストレス反応を検知する唾液中アミラーゼ値は,産褥1日目に両群に差はなかったが,産褥3日目,産褥5日目に高齢初産婦が有意に高得点を示した。また,経時的変化は,高齢初産婦にのみ認めた(P<0.001)。産後うつ症状を評価するEPDS得点は,産褥1日目に有意差は認めず,産褥3日目(P<0.05),産褥5日目(P<0.05)に有意差を認め,高齢初産婦のほうが有意に高得点を示した。また,経時的変化は,高齢群にのみに認めた(P<0.001)。ストレス内容の詳細は,産後5日間で【分娩時疲労,および進行性・退行性変化に起因したストレス】【母親役割獲得過程に起因したストレス】【育児技術習得に起因したストレス】【その他】に分類されるデータが抽出され,高齢初産婦群97データ,コントロール群127データであった。コントロール群が多くストレス内容を表出していたが,高齢初産婦のデータ数は経時的に増加する一方で,コントロール群は経時的に減少した。