女子大学生の子宮頸がんに関する知識習得状況と予防行動の実態および関連要因の検討

概要

論文の詳細を見る
女子大学生の子宮頸がんに関する知識習得状況と予防行動の実態および関連要因を明らかにし,子宮頸がん予防に効果的な指導を検討することを目的として,地方国立大学に在籍する女子学生を対象として2011年9〜10月に無記名自記式質問紙調査を実施した。分析対象は499人であった。その結果,子宮頸がんに関する知識習得状況は子宮頸がん81.6%,子宮頸がん検診58.9%,子宮頸がん予防ワクチン71.3%であった。正答率は子宮頸がんの原因21.1%,初期症状3.2%であり,女子大学生は限られた情報源からしか知識を得ていなかった。予防行動の実態および関連要因は,子宮頸がん検診受診率は9.6%であり,未受診の要因は産婦人科受診への抵抗感や受診方法がわからないことであった。がん検診信念尺度日本語版の危険得点は性交経験の有無で差がなかったことなどから,性行為がHPV感染源になることを指導する必要がある。子宮頸がん予防ワクチン接種率は6.2%であり,未接種の要因は高額な費用と産婦人科受診への抵抗感であった。以上のことから,専門職が子宮頸がん予防教育に積極的にかかわる必要性が示唆された。
2013-07-00