喫煙経験がある母親の産後の喫煙行動・環境に関する実態調査 : 1歳未満の乳児をもつ母親への調査より

概要

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1歳未満の乳児をもつ母親を対象とし,産後の喫煙行動・環境,および呼気中一酸化炭素濃度(以下COとする)の実態を明らかにすることを目的に2007年8〜10月に調査した。この結果,対象者135名中111人(82.2%)が授乳中であり,そのうち3名(2.7%)が喫煙していた。また,喫煙経験者におけるCO測定値は,自己申告した喫煙歴を反映し,産後喫煙者は,産後非喫煙者よりも,COが上昇している結果が明らかとなった。喫煙経験者は28名(20.7%)で,その約半数は妊娠中に禁煙指導を受けておらず,産後も7人(授乳中3人)が喫煙していた。「妊娠中も産後も喫煙」していた者の喫煙本数は,妊娠前に比較して減少しており,妊娠・出産が禁煙の動機づけになることが示唆された。しかし,産後喫煙者の夫はすべて喫煙者であり,周囲の喫煙の影響が少なくないことも示唆された。一方,禁煙の継続理由は「喫煙動機の低下」「自身の健康への配慮」「子どもへの喫煙の害」などがあった。以上の結果から妊娠を契機に指導漏れがないように指導するとともに母親だけではなく家族を含めた包括的な介入支援を実施し,禁煙推進が必要であることが示唆された。