非妊時BMI「標準体重」に該当した妊婦が低出生体重児を出産する要因 : 成熟児出産群と低出生体重児出産群の比較
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概要
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本研究は,非妊時BMIが「標準体重」に該当した妊婦371人を対象者とし,出産に至った過程において,妊娠期間中の母体体重増加量,およびその他関連因子について実態調査し,低出生体重児を出産する要因について成熟児出産群と低出生体重児出産群(2,500g未満の出生体重児)の2群に分類し,検討した。この結果,対象者の低出生体重児出産率は, 5.4%であった。平均年齢は29.7±4.7歳, 2群比較では,低出生体重児出産群が有意に若く(P<0.01),平均在胎週数は39.0週であり,同様に低出生体重児出産群が有意に短かった(P<0.01)。また,母体体重増加量は妊娠中期以降に有意差を認め,低出生体重児出産群のほうが少なく(P<0.01),胎児推定体重は,妊娠初期(P<0.05),および妊娠中期(P<0.01)に有意差を認め,低出生体重児出産群のほうが軽い結果であった。さらに,出生時体重と妊娠各期間における母体体重は,成熟児出産群のみに正の相関を認め,母体体重が増加するに伴い,出生時体重も重くなっていた(P<0.01)。したがって,「標準体重」の妊婦であっても,非妊時BMI別推奨体重増加量を超えないことをめざす栄養指導のみではなく,母体体重増加,および胎児推定体重を考慮した必要栄養素の摂取などにも着目した指導の必要性が示唆された。
- 2013-04-00
著者
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