採血を受ける1歳の子どもと親への援助内容
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概要
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背景 小児看護領域において, 子どもの権利条約の批准後, プレパレーションの概念が広まった. しかし, 小児専門病院の看護師に比べ, 総合病院の看護師のプレパレーションの認識は低く, プレパレーションの実践の普及がされていない実態がある. さらに, 採血を受ける子どもに関する研究は多いが, 自己の思考により物事をみることができない発達段階である2歳未満の年少の子どもを対象とした研究は少ない. 目的 採血を受ける1歳の子どもとその親への援助内容を明らかにする. 方法 全国の小児外来を標榜する総合病院131施設の外来に勤務する看護師のうち, 子どもの採血に関わる786名を対象に質問紙調査を行い, 自由記述の内容を分析しカテゴリー化した. 結果および考察 282名 (回収率35.8%) から回答が得られた. 看護師のプレパレーションの認知は, 知っている51.1%, 知らない45.0%であり先行研究より認識が高まっていた. しかし, 親の付き添いがないと回答した看護師は66.5%であり, さらに子どもの姿勢は寝かされ, 身体の抑制を受けながら採血を受けていたことが明らかとなった. 自由記述の内容分析では, 1歳の子どもと親への援助内容から看護師は, 子どもの発達段階に応じた援助ができていたが, 親が付き添う採血のケアモデル提示が少ないことが明らかとなった. 結論 看護師が, 1歳の子どもの発達段階に応じた援助を行うために, 子どもの権利およびプレパレーションの概念を学習する機会の提供が必要である. さらに, 親が付き添う採血のケアモデルの提示をする必要があることが示唆された.
著者
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