朝日放送による「コスモス」の総合キャンペーンの事例
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概要
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1980年、朝日放送(大阪)は開局記念番組として『コスモス』シリーズを編成、大成功を収めた。テレビのスポット、広報番組、自社番組の削減によるステブレ広告のねん出の奇策、新聞の企画記事、ニュース、広告、テレビ欄の紹介記事、スポンサーによる他紙への広告に便乗した番組宣伝、催し物とそれらの広報による番組と関連書籍の総合的キャンペーンの事例は、教育教養番組としては異例の10%台の視聴率とミリオンセラーの「テキスト」を生み出した。この資料は民間放送による教育教養番組の放送史研究の一環として筆者がおこなった聞き取り調査と内容分析の結果の報告である。この調査データの一部は、すでにNHKおよび朝日放送に限定的報告書の形で提出されたが、その後の確認資料を加味し、両局関係者の了解を得て、先年、海外で口頭発表を行った。1)民間放送の教育教養番組の企画から実施にいたる過程は資料がきわめて少ない。2)教育番組に限らず、メディア・ミックス・キャンペーンは有効であると言われるが、実例の全貌は通常「企業秘密」のベールに閉ざされている。この事例は広告の相乗効果の実例として「メディア教育」の観点からも興味深い。3)「コスモス」という言葉は今日、広報関係者の間で「人々を魅了する言葉」として評価されている(時に詐欺的な事件にもあらわれる)。4)NHKの教育番組については英文資料は相当あるが、民放の教育教養番組について海外を対象に説明したものはあまりない。以上の理由から、ここに資料として提出する。記述の整合上、上記報告書と一部重複するところがある。
- 日本教育メディア学会の論文
- 1997-03-31
著者
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