呼吸器領域における心身医学の発展と展望(2012年,第53回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(鹿児島))
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概要
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本邦における呼吸器心身医学は, 1970年代以降,専門性を有する医師らによる研究会の設立や年次大会などを契機として発展してきた. 1996年,新しく日本心療内科学会が設立され呼吸器心身医学研究会は発展的解消となった.その後,呼吸器心身医学の主な研究対象が気管支喘息であったこと,喘息の基礎的,臨床的研究により病態解明や治療法が目覚ましい発展を遂げたこともあり,心身医学における学会発表や論文が次第に減少してきた.しかし呼吸器症状は気道の器質的変化や刺激で生じるだけでなく情動ストレスによっても生じてくるため,呼吸器学における心身医学の重要性は損なわれるものではない.心理社会的ストレス要因による情動への影響も関与して象徴的に生じてくる呼吸困難や咳嗽などの呼吸器反応や症候もある.このような場合,適切な診断と治療がなされなければ容易に慢性化,難治化するため,呼吸器における心身症の鑑別は非常に重要であり,明らかな心理的要因によって症状の増悪をみるときは専門的な心理療法の適応もある.さらなる呼吸器心身医学の将来の展望と発展を期するためには近代科学的な研究に基づいたオリジナルかつ最新の視点が重要である.
- 日本心身医学会の論文
- 2013-11-01
著者
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