心療内科および神経科プライマリーケア施設における認知行動療法適用の実際(資料,<特集>プライマリーケアと行動療法・認知行動療法)
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概要
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本研究では,内科・心療内科標榜の施設Aと、神経科・心療内科標榜の施設Bで、過去5年半に認知行動療法(CBT)に基づくカウンセリングに導入された121例のデータに基づき、心療内科および神経科プライマリーケアでのCBTの適用の実際を報告した。診断では、不安障害と適応障害が両施設とも多い一方で、一般身体疾患に影響を与えている心理的要因と身体表現性障害は施設Aで、摂食障害は施設Bで多いという特徴がみられた。治療法では、両施設で共通して気分障害には段階的タスク割り当て・認知行動論的カウンセリング、不安障害にはエクスポージャー・自律訓練法、身体表現性障害・睡眠障害・一般身体疾患に影響を与えている心理的要因には自律訓練法、適応障害には認知行動論的カウンセリングが多く適用されていた。そして一般身体疾患に影響を与えている心理的要因、適応障害、不安障害は症状が改善して終結となる割合が高かったことから、CBTは心療内科および神経科プライマリーケアでも十分に活用可能であると考えられた。
- 日本行動療法学会の論文
- 2002-03-31
著者
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大塚 明子
千歳こぶしクリニック
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鈴木 伸一
岡山県立大学
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熊野 宏昭
東京大学大学院
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形岡 美穂子
武蔵野赤十字病院精神科
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形岡 美穂子
武蔵野赤十字病院:足立医療生活協同組合綾瀬駅前診療所
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村中 泰子
足立医療生活協同組合綾瀬駅前診療所
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川村 有美子
仙台市児童相談所
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