CRDを用いたコードクローンの生存期間と修正回数に関する調査

概要

論文の詳細を見る
これまでに,コードクローンの進化の様子を分析し,その特徴を調査する研究が多数行われている.しかし,これまでの調査手法には,コードクローンに対して大きな修正が加えられた場合に追跡に失敗するおそれがあるという課題がある.また,ソフトウェア保守に悪影響を与えるコードクローンがどの程度存在するのかという点や,コードクローンが修正される時期に何らかの特徴があるかという点は明らかになっていない.修正される時期の特徴が明らかになれば,コードクローンへの対処の是非を検討する指標になると期待できる.本研究では,ソースコードに対する変更に強いコードクローン追跡手法であるCRDを用いて,これまでに明らかにされていない事項に対する調査を行った.調査の結果,コードクローンの多くは短命であり,かつ修正されにくいという既存研究の知見を改めて確認した.また,コードクローンは生存期間の前半に修正されやすいことが明らかになった.さらに,生存期間が長く,かつ修正回数の多いコードクローンが全体の約3.3%存在することが分かった.
2014-02-15