オープンソースソフトウェアにおけるコードクローンの消失に関する調査(コードクローン,ソフトウェアサイエンス、理論)
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概要
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ソフトウェアの保守を困難にするおそれのある要因の一つとして,コードクローンの存在が指摘されている.その一方で,コードクローン生成の主要因である既存コードのコピーアンドペーストによる再利用は,必要な機能を高速に実装できるという理由から,ソフトウェア開発においてしばしば行われている.そのため,ソフトウェア中にコードクローンを存在させないことは現実的ではない.すなわち,コードクローンを管理する技術が求められているといえる.コードクローンの管理を効率的に行うためには,コードクローンが持つ特性を明らかにする必要がある.このような背景に基づき,コードクローンの発生,並びに進化に関する研究が盛んに行われている.しかしながら,コードクローンの消失に関する研究はこれまでに行われていない.コードクローンの消失理由,及び消失したコードクローンが持つ特性が明らかになれば,負の影響を持つコードクローンの特定などの促進が期待される.そこで本稿では,高速にコードクローンの消失を特定する手法を提案し,それを用いてオープンソースソフトウェアを対象とした調査を行った.調査の結果,コードクローンの消失はソフトウェアの開発期間全体を通して多数発生していることや,消失したコードクローンはそうでないコードクローンと比較して複雑でなく,かつコードクローンを構成するコード片の数が少ない傾向にあることがわかった.
- 2012-10-25
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