イメージファインダー:構造展示を考慮した博物館向け展示物案内システムの提案と実装
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概要
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本稿では,構造展示の考え方を導入した博物館向けの展示物案内システムと,そのユーザインタフェースについて述べる.イメージファインダーは展示物の写真を基にして,格子状に配列された複数の写真をマルチタッチ機能対応ディスプレイで直感的に操作可能な展示物案内システムである.システム内で仮想的な構造展示がなされるよう,基本画面においては文字情報を排除しており,また,文字検索機能を敢えて持たせていないことが特徴である.構造展示とは,展示物そのもののコンテクストを顕在化させる展示手法とは異なり,展示物単体のコンテクストをなるべく排除し,複数の展示物を並べて見せることで展示物と展示物の意味的関係性を来館者に提示する手法のことである.その狙いは,人間社会の諸文化が事物の有機的,系統的なつながりをもって構成されていることを来館者に理解してもらうことにある.日本の博物館の入館者数は相対的に減少傾向にあり,少子高齢化などの問題によってその傾向はさらに今後も続くものと予想される.多くの博物館では,このため,企画展を催したり情報システムを導入したりして来館者に分かりやすい展示を心がけるよう努めている.本稿で述べるのは,その働きの一環として構築した展示物案内システムについてである.
- 2014-01-08
著者
-
野林 厚志
国立民族学博物館・総合研究大学院大学
-
中川 隆
国立民族学博物館
-
中村 嘉志
国士舘大学:科学技術振興機構crest
-
福岡 正太
国立民族学博物館
-
中村 嘉志
国士舘大学理工学部
-
Harry Vermeulen
ATR Creative
-
高橋 徹
ATR Creative
-
野林 厚志
国立民族学博物館
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