重度・重複障害教育におけるベテラン教師の職能成長 : 男性教師のキャリア・ヒストリーに着目して
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概要
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本研究では、重度・重複障害教育に携わるベテラン教師が自身の専門性をどのように認識し、どのようなプロセスを経て成長してきたのかについて検討することを目的とした。研究対象は特別支援学校教師4名であり、調査方法は半構造化面接による形式で行われた。その結果、まず「子どもの理解」「教育への熱意」が重要な専門性として強調され、この分野においてより成長するためにはこれらの専門性に注目する必要があると推察された。次に職能成長の特徴を見ると、契機の内容が「出会い」(初任期)から「地位」「勉強」「実践」へと変わってきた特徴が見られた。飛躍的な成長が見られた時期は、おおむね7・8年から12・13年の間に集約された。その期間に大きな変化が見られた専門性とは、「子どもの理解」に関する「子どもを見る観点(A,C,D)」であった。このことから、教師の職能成長を進展させるには、初任期の熱意を高めて維持するとともに、子どもを理解する専門性を身に付けさせるための指導及び支援が重要であることが示唆された。
- 2012-03-30
著者
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任 龍在
Graduate School of Comprehensive Human Sciences, University of Tsukuba
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安藤 隆男
筑波大学人間系
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安藤 隆男
筑波大学人間総合科学研究科
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任 龍在
筑波大学人間総合科学研究科
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