国立久里浜養護学校の設置過程 : 「実験教育研究施設」から「養護学校」への転換
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概要
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本研究では国立久里浜養護学校の設置過程に着目し、設置形態の転換に伴う目的、対象、従事者の変化とその背景を検討した。同校は重度・重複障害児を一時受託して実験教育を実施する実験教育研究施設として構想されていた。実験教育研究施設には訓練担当職員を配置するなど一部重症心身障害児施設と共通する職種の配置が予定されていた。設置形態を学校教育法に定める学校としない背景には、教育内容・方法の制約と収容の長期化による実験研究の制限があった。しかし、実験教育研究施設案は受け入れた子どもの経済保障と就学義務の履行、職員の待遇の観点から養護学校としての設置に改められた。同校の設置過程の変化は、当時の特殊教育諸学校や児童福祉施設を参考にしながら日本の重度・重複障害教育に最善の貢献をし得る機関を設置しようとした結果であるといえる。
- 2013-03-29
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