第7章 佐藤理論入門(<連載>非線形波動-ソリトンを中心として-)
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概要
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本章ではソリトンに関する佐藤理論について述べる.KdV方程式あるいはKP方程式のLax pair L, Bにおける微分作用素Lの代わりに擬微分作用素Lを導入する.擬微分作用素の導入は必然的に無限個の従属変数の導入を意味する.それと同時にL^<1/2>やW^<-1>LW=∂(∂は∂/∂xを意味する)を満たすWが擬微分作用素として存在するので非常に都合がよい.さらに,無限個の時間変数t_1,t_2,t_3,…を導入して固有関数ψのt_n方向の発展を∂ψ/∂t_n=B_nψ(KdVの場合はB_n=L^<n/2>の微分作用素部分,KPの場合はB_n=L^nの微分作用素部分)ととることによってKdV階層やKP階層がえられる.Lax表示から,Wを用いた表示に移るとLax方程式のかわりに佐藤方程式がえられる.佐藤方程式の解の分母をτ関数と呼べば,佐藤方程式の解,KP方程式の解,Lに対する固有値関数ψなどがすべてτ関数で表せ,しかもτ関数は広田の双線形微分方程式を満たすことなどを述べる.
- 2013-04-25
著者
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