がんの最新治療各論(6)胃がん

概要

論文の詳細を見る
エビデンスに基づいた標準的な治療の普及をめざし、2001年3月に胃癌治療ガイドラインが発刊された。その後の10年の進歩にともない、次々に改定を行っている。標準的治療はガイドラインに示され、大規模臨床試験の結果より推奨されるようになっている。進行胃がんに対する2群リンパ節郭清を伴う胃切除は、安全性と治療効果の高さで日本では標準手術であるが、大規模な臨床試験は行われていなかった。しかしオランダでの臨床試験にて約25年の経過を経て、その有効性が証明され、欧米でも標準手術になりつつある。一方で大動脈周囲リンパ節の予防的郭清や、胃上部癌に対する開胸による縦隔リンパ節郭清の有用性が臨床試験より認められず、さらなる拡大郭清の効果は否定的になった。がん診療拠点病院の2010年度のがん登録全国集計では臨床ステージ0・1期が63.8%であり早期発見が多い。このような早期の症例や増加する高齢者に対して、侵襲の軽減した治療法が検討され、進行度に応じた過不足のない個別化治療が目指されるようになってきた。,内視鏡治療の進歩、大規模臨床試験による拡大手術の再評価、QOLを重視した縮小手術の導入、器具の進歩に伴う腹腔鏡治療の発展など、内視鏡及び手術を中心とする切除療法は様々な選択肢が広がった。またいわゆる新規抗癌剤による化学療法の効果の高さは、集学的治療の重要性を飛躍的に広めてきている。上述の全国集計では、0期では約80%が、I期でも42.5%は内視鏡治療で完結している。II期では92.1%、III期では89.2%、IV期では30.4%に手術がなされている。化学療法はII期で50.1%、III期で59.7%、IV期で71.5%に行われている。この結果の示すように、実際の治療においてやはり病期により治療法の選択が異なってきている。本稿では、これらを振り返り、最新の標準治療について概説した。
2013-08-25

がんの最新治療各論(6)胃がん

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク

がんの最新治療 各論(6)胃がん

スポンサーリンク

概要

著者

関連論文

スポンサーリンク

がんの最新治療各論(6)胃がん