メシル酸イマチニブ投与により縮小し、手術を施行した巨大骨盤内gastrointestinal stromal tumorの1例

概要

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従来、消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor:以下,GIST)に対する治療の第一選択は外科的な完全切除であり、切除不能例の予後は不良であった。メシル酸イマチニブ(以下、イマチニブ)の有効性が報告されその治療や予後は大きく変わりつつある。切除不能GISTに対してイマチニブによる術前化学療法と腫瘍縮小手術を組み合わせて治療を行った症例を経験したので報告する。症例は65歳男性。人間ドッグのMRIで骨盤内腫瘤を指摘され、2008年3月当科紹介受診した。CTでは腹部骨盤内に約15×15.2×18.5cmの分葉状かつ多房性の充実性腫瘍を認めた。GISTを疑い、同年4月開腹下に腫瘍の生検を施行した。病理組織診断にてGIST(c-kit+,CD34+)と診断、第12病日よりイマチニブの内服投与を開始した。イマチニブ開始より腫瘍は縮小し、17ヵ月後には約60%となった。2009年11月切除目的に開腹し、縮小により切除可能となった腫瘍を切除したが、仙骨前面の腫瘍は切除不能であった。そのため、第14病日よりイマチニブ投与を再開した。術後3カ月現在、残存腫瘍の増大を認めていない。
2010-07-25