「コーパスアノテーションの基礎研究」および「コーパス日本語学の創成」
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概要
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本稿の前半では基幹型研究「コーパスアノテーションの基礎研究」の現状を紹介した。このプロジェクトでは,既存コーパスの利用価値を向上させるために必要とされるさまざまな言語的アノテーションについての研究を進めている。本稿ではそのうち,係り受け構造,拡張モダリティ,時間情報,語義,節境界,形態論情報をとりあげて解説した。本稿の後半ではもうひとつの基幹型研究「コーパス日本語学の創成」を紹介した。このプロジェクトはコーパス日本語学の振興を直接の目的とする戦略的プロジェクトである。振興のための主要な手段として位置付けている「講座日本語コーパス」と「コーパス日本語学ワークショップ」について説明した後,具体的な研究成果の一例として,『日本語話し言葉コーパス』(CSJ)を用いた日本語イントネーション研究の事例を紹介した。PNLPと呼ばれる東京語の韻律特徴は,1959年に発見されて以来現在までその言語的機能が不明のままであった。今回,X-JToBI韻律アノテーションの施されたCSJ-Coreのコンピュータ分析によって,PNLPは原則として1発話に1回だけ生じて発話の頂点を表示するとともに,典型的には発話の次末アクセント句に生じて発話の終端を予告する境界機能をあわせもっていることが判明した。
- 2012-10-00
著者
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