保育実習生のヒヤリハット認知を高める教材開発研究
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概要
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保育・幼稚園実習で発生する子どもの事故を未然に回避するために,実習の事前指導用として「ヒヤリハット認知を高める教材」を開発した.これまでに行った2 つのヒヤリハット研究(石川ほか2009,大野木ほか2011)と典型的な事故場面の事例集(田中・石井2003)に基づいて,24 場面を選び図版教材を開発し,その場面について保育士および幼稚園教諭の現職者78 名に評価を依頼した.24 場面に関する主な結果は次のようであった.(1)現職者の6 割以上が適切と認めた場面は22 場面,7 割以上では18 場面であった,(2)対象年齢として3 歳用教材に適切と評価する場面がもっとも多かった,(3)5 歳用教材に適切と評価する場面は少なかった,(4)ヒヤリハット認知の描画場面を見て後に事故発生が起こる確率の予測は31%から69%に分布し,概してかなり高率の事故発生場面とみなされた.(5)自由記述からは,子どもの共感性や道徳的判断といった認知能力や指導法に関する内容が含まれていることから,使用マニュアルを作成するにあたって発達的な視点を明確にすることを今後の研究課題として位置づけた.
- 2013-03-31
著者
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