地場産業と後継者育成(統一論題「地域産業の発展と後継者育成マネジメント」)
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概要
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新潟県長岡地域において機械産業は地域経済を支える主要な地場産業のひとつであるが、後継者育成も大きな問題となっている。長岡大学地域研究センターが平成23年に行なった調査によれば、事業承継を「十分に準備している」企業は19.2パーセント、「不十分だが準備している」企業は52.1パーセントであり、「何もしていない」企業も23.3パーセントある。長岡地域では長岡産業活性化協会(NAZE)を実施主体として平成17年度から19年度の3年間にわたって「長岡地域地場産業振興アクションプラン」が策定され、その一環として後継者・経営幹部候補者のための経営塾である「NEXT道場」が開設された。NEXT道場が構想されたきっかけは経営者の間で後継者問題が話題になるものの、後継者と考えている子息をどのように鍛えれば良いか分からないという危機感であった。子弟を高校卒業と同時に自社に入れ、一般従業員と同様の仕事に従事させているため、高度な技術を教育機関で学んだり、他企業での勤務経験を積んで視野を広げる機会がなく、経営管理の経験を深めることなく40歳近くになってしまうケースが多かった。道場で財務や経理の知識を身につけ、また受講者同士や地元企業経営者との人脈構築も効果があった。実際に後継者育成を成功裏に行なった経営者の見解によれば、若い時期、好き勝手をして良いからと許しておきながら、トップや親の都合で急に家に帰ってこいでは本人にも気の毒で反発もあるが、後継者としての必要な覚悟、学習、人脈等は若いうちならば素直に受け入れやすいようである。
- 2012-11-03
著者
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