3. 世界に広がるうま味の魅力(<総説特集II>食べ物のおいしさを引き出すうま味とコクを考える-3)
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概要
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コンブ、カツオブシ、シイタケは、昔から日本人にはなじみの深いものであり、日本人はうま味を素直に受け入れてきた。欧米人はコンブだしのような純粋なうま味溶液に接する機会がなかったためか、長い間うま味という味があることすら認めなかった。1982年に「うま味研究会」が発足して以来、うま味に関する国際シンポジウムが数多く開催されてきた。このなかで、うま味に関する新しいデータがつぎつぎと発表され、Umamiが第5番目の基本味であることが国際的に認知された。うま味が国際的に認知されると、欧米のマスコミは、うま味がトマト、チーズ、ハムなど自分たちにもなじみの深い食物に豊富に含まれていることを盛んに報じてきた。日本食の味の主体はうま味であるが、うま味が欧米に広がったこともあって、今や世界各国で日本食は空前のブームである。長い間、世界では日の目をみなかったうま味が、日本の食文化とともに世界に羽ばたいている。最後にこくについて触れる。食塩は低濃度でアミノ酸、うま味物質、甘味物質の味を大きく増強する。これにより食物の味は深みが増し、持続性が高められるので、食塩はこく増強物質といえる。
著者
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