ヒノキ植林地におけるヒナカマキリの産卵場所と生活史
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概要
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静岡県伊豆の国市内のヒノキ植林地に多産するヒナカマキリの産卵場所と生活史を調査した。卵鞘はヒノキ幹上で観察され,地表からの高さは平均値で66.2 cm,全体の90%がめくれたヒノキ樹皮内側に産下されていた。調査地は北西向きの斜面林であり,卵鞘のある方位を調べたところ,斜面下部側(北,北西,西)に数多く産下されていた。斜面上部側に比べ下部側はわずかながら温度,湿度が低く,めくれた樹皮が多かった。野外での幼虫や成虫の主な発見場所は,地表のほかヒノキの根元近くの落葉下や樹皮下,幹上であり,いずれも地表から50 cmまでの高さであった。同じ試験地で幼虫と成虫の季節的発生消長を調査し,併せて室内で幼虫を飼育し生活史を推定した。野外調査と室内飼育の結果から,このヒノキ集団は,卵鞘内で越冬してから主に6月に孵化し,幼虫期を経て9月以降に成虫となり,産卵後年内に死亡するものと思われた。
- 2012-12-14
著者
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