棒状植生マットの開発 : 保存期間と発芽率
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概要
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乾燥すると発芽率が低下する堅果種子を用いた棒状植生マットを現在開発中である。今回,コナラ,ウバメガシ,シラカシ3種の堅果種子について,マットの保存期間と発芽率について調査した。その結果,常温,低温(5℃以下)で約1カ月保存した場合,3樹種とも常温で保存するより低温で保存した方が水分を保持でき,コナラで80%台,ウバメガシで70%台,シラカシで60%台の発芽率を期待できることが明らかとなった。生存率は3樹種とも90%以上の高い数値であった。このことと関連として根の伸長を調べた結果,マットと土壌の接地部分では根は横方向に動いていたが,その後,土壌中に侵入が確認されたことから,生存率の低下には影響しないと考えられる。以上の結果より,乾燥すると発芽率が低下する堅果種子を用いた本マットにより,高密度(筋状)の発生を十分に期待できると推察される。
- 1997-03-25
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