昭和初期の北海道における拓殖産婆の活動
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概要
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明治2(1867)年より開拓が進められてきた北海道では、第二期拓殖計画(1927〜1946)の政策として、開拓地に「拓殖産婆」が配置されたことが史実に残っているが、詳細は不明であった。本研究は、拓殖産婆の制度、配置の背景、活動内容を明らかにすることを目的とし、北海道庁統計資料、北海道内全市町村の市町村史、北海道庁広報などの資料を調査した。その結果、拓殖産婆として申請できるのは正規の資格を有した産婆であり、産婆不足の開拓地の首長が道に申請し、任命を受けた産婆が年額500 円以内の補助金交付を受けて開拓地での助産業務に従事していたことが明らかになった。また、拓殖産婆は道路の整備されていない僻地に配置され、担当する広大な地域を徒歩や馬で移動していたこと、開拓地の移民の暮らしは貧しく分娩料が支払われないことが多々あったこと、出産環境の改善と衛生的な出産介助に尽力していたことが明らかになった。
- 2012-11-30
著者
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宮本 涼子
天使大学大学院助産研究科
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前田 尚美
慶應義塾大学SFC研究所
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前田 尚美
慶應義塾大学看護医療学部
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高橋 弘子
前天使大学大学院助産研究科
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前田 尚美
天使大学看護栄養学部看護学科
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須藤 桃代
天使大学看護栄養学部看護学科
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高橋 弘子
前天使大学大学院
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