福島第一原子力発電所事故に対する日本地球化学会の取り組み(<特集>東日本大震災から1年)
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概要
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2011年3月11日に発生したM9.0の大地震は大津波を伴ない,関東北部から東北の太平洋岸を中心に甚大な被害をもたらした。この時発生した津波によって東京電力福島第一原子力発電所が壊滅的な打撃を受け,機能を喪失するに至った。その結果,原子炉施設から大量の放射性物質が周辺地域へ飛散した。この放射性物質の環境中への放出という深刻な災害に直面し,日本地球化学会は放射性物質の環境汚染に対する先人の取り組みに倣い,さまざまな取り組みを組織を挙げていち早く実施した。しかし,このような規模の大きな,かつ,放射性物質の環境への飛散という特殊な状況を考えると,一組織に閉ざした活動には限界があることを考え,早期の段階から周辺組織とさまざまな連携を模索し,かつ活動に反映した。大震災から1年が経過し,そうした初期の取り組みも一段落し,新たな取り組みの時期を迎えたように思われる。本稿は,日本地球化学会が原子力発電所事故発生から約半年余りの間に取り組んだ活動の過程を,特に他組織との連携という点に視点をおいて記したものである。
- 2012-07-16
著者
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海老原 充
首都大学東京
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海老原 充
首都大学東京大学院理工学研究科分子物質化学専攻
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海老原 充
第18期日本学術会議地球化学・宇宙科学研究連絡委員会:東京都立大学大学院理学研究科
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海老原 充
首都大学東京大学院理工学研究科分子物資化学専攻
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