妊婦の精神的健康度と身体活動の関連

概要

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本研究の目的は,妊婦における精神的健康と身体活動の実態を把握し,その関連を検討することであった。妊娠中期の妊婦190名を対象に,全対象者で属性,生活環境,健康状態,身体活動,精神的健康4指標の統計学的検討を行い,ついで,初産婦と経産婦の比較,および対象者を精神的健康4指標いずれかのVAS得点が平均値+1SD以上であった不調群とそれ以外の比較群に2分し,群間比較を行った。また,精神的健康の4指標を従属変数,身体活動に関する項目の数値を独立変数として投入し,ステップワイズ法による重回帰分析を行って精神的健康に関連する要因を検討した。その結果,初産婦は屋外で,経産婦は屋内で身体活動量を確保しようとする傾向がみられた。精神的健康では経産婦が初産婦より焦燥感が高かった。精神的健康の不調者は親からのサポートや身体活動量の満足度が低く,基本的な身体活動が不良であった。さらに,重回帰分析の結果,「身体活動量の満足度」「歩いて10分以内の所への移動は歩く」「肩こり,腰痛改善のために身体を動かしている」が, 4指標とのいずれかと関連があった。このように,妊娠中期妊婦の身体活動は精神的健康に関連しており,妊娠中の身体活動保持は身体だけでなく精神面からも重要であることを妊婦へ啓発することが必要である。

妊婦の精神的健康度と身体活動の関連

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