本人追跡性を基礎とする携帯電話の情報モラル教育
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年、Facebook、Twitter、mixi、GREE、Mobageの爆発的普及と、スマートフォンと呼ばれる携帯電話の登場により、掲示板、ブログ、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の利用者数が急増している。高校生の携帯電話所持率も高く(95.1%)、携帯電話による子どもたちの被害も急増している。その内容は、いじめ、詐欺、異性間トラブル(強姦、児童***)などの深刻な被害である。他方で、利用者は、被害者になるだけでなく、ネットの匿名性により、容易に加害者にもなり得る。いったん加害者になれば、匿名性は失われ、犯罪者となることもある。携帯電話を使用することは、被害者や加害者になり得るリスクを含んでいる。筆者らは過去9年にわたり国内20校以上の高校において携帯電話の情報モラル教育を実施してきた。高校生にとって理解しやすい内容にするため、筆者らの情報モラル講演は、本人追跡性について詳説、さらにデモンストレーションも行っている。本稿は、携帯電話利用にともなって生じる社会問題の複雑さ・深刻さについて分類、解説した上で、これまでの高校教育現場での情報モラル教育の実践をふまえ、効果的な情報モラル教育の一つの考え方を示すことを目的としている。本稿が高校教育現場で日夜問題に直面している関係者各位の手助けになることを期待したい。
- 2012-09-30
著者
-
圓岡 偉男
東京情報大学総合情報学部情報文化学科
-
鈴木 英男
東京情報大学
-
神野 建
東京情報大学総合情報学部
-
鈴木 英男
東京情報大学総合情報学部
-
安岡 広志
東京情報大学総合情報学部
-
新島 典子
ヤマザキ学園大学動物看護学部
-
神野 建
東京情報大学 総合情報学部 教養・教職・学芸員課程
関連論文
- 動物に「きもち」はあるか--動物の「心」の語りの社会学的検討
- 心理主義化する社会の「癒し」--動物とセラピーに関する社会意識に着目して
- コミュニケーションの創発性と非蓋然性:蓋然性と非蓋然性のはざまで
- K-019 3次元CGアニメーションを用いた国語科教材の開発(教育工学・福祉工学・マルチメディア応用,一般論文)
- 現代社会における地域育児支援のあり方--江東区未就学児保護者の意識調査
- 逆数え上げ符号化・復号法
- 簡単で効果的な個人情報保護の方法 : データ保存法とデータ入力法
- 簡単で効果的な個人情報保護の方法 : データ保存法とデータ入力法
- 盲導犬の社会受容促進に関する考察--シンポジウム『社会における盲導犬の役割』展開の試み (特集 第15回学術大会シンポジウム 社会における盲導犬の役割)
- 科学知の構成と社会:社会と科学の相互観察
- 飼主の死生観と亡きペットの存在感 : 「家族同様」の対象を亡くすとは
- 死別体験を生きること : 死者の存在感と生者の死生観
- 身体障害者補助犬に関する社会意識--動物看護学生を対象に
- 意思決定の基礎構造に関する一考察
- 動的Web形式による2進数演算教育教材の開発
- 本人追跡性を基礎とする携帯電話の情報モラル教育
- 情報教育における創造性を引き出す教材提案
- 身体障害者補助犬に関する社会意識調査 : 動物看護学生と教員志望学生の比較
- イヌが苦手とはどういうことか : 動物への苦手意識に関する調査
- 東京情報大学と柏の葉高等学校における情報教育に関する高大連携事業の取組と成果
- 喪失(Loss)からの「回復」にみる喪失対象の代替可能性
- 集合住宅におけるペット飼育--管理規約運用の揺れ動き事例
- 「名乗り出ること」と「問題経験」--集合住宅でのペット飼主の場合
- ペット喪失体験(ペットロス)はなぜこんなにつらいのか--リアリティ分離・封殺とペット喪失者のつらさの強化について
- 葬儀なき「追悼」をめぐるディスコミュニケーションと困難性の臨床社会学的考察
- マルチメディア作品制作演習授業でのアニメーション作成ソフトを取り入れた教育実践