スポーツに参加する子どもの心理的発達に及ぼす大人の影響:その研究動向と今後の方向性
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概要
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本研究では,スポーツに参加する子どもを取り巻く親や指導者が子どもの心理的発達に及ぼす影響について先行研究を概覧・評価した。まず,子どものスポーツ参加に対する親や指導者の行動や信念の影響に関係する理論を幾つか呈示し,それぞれの理論が主張する仮説を説明した。次に,各理論に沿って知見をレビューし,大人の肯定的な行動や認知がスポーツに対する有能感や価値に対する子どもの知覚を高め,さらにそれが内発的動機づけやスポーツ活動の決定意志を維持したり高めたりするというプロセスが存在する可能性を示唆した。しかしこのレビューを通して,親や指導者の行動や子どもの有能さについて親(または指導者)の見方と子どもの見方が一致しないということが見出された。またさらに,既往の研究はスポーツ活動に関連した子どもの心理的特性に着目しているものの,多様な状況で一貫して思考・感情・行動に及ぼす子どものパーソナリティの側面に焦点を当てていないことも確認された。こうした2つの問題に対して最後に,この領域の今後の研究の方向性を提示した。
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