歩行開始期の情動制御の個人差と気質および親のパーソナリティ特性の関連性
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概要
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本研究では,葛藤場面での子どもの情動や制御行動また母親の制御行動に子どもの気質や母親のパーソナリティ特性がいかに関連しているかを検討した。対象者は13〜30ヶ月の子どもとのその母親のペア28組であり,各ペアは玩具を片づけるという子どもに葛藤を引き起こす場面に参加した。また,母親には自分自身のパーソナリティ特性や子どもの気質に対する回答を求めた。分析の結果,気質的に活動性や快情動表出傾向の高い子どもほど自己慰撫を示しにくいこと,気質的に恐れやすい子どもほど積極的に対象物を求めようとしないことが明らかになった。また,外向性の高い母親ほど子どもの行動を契機にして子どもの注意を切り替える傾向があること,協調性の高い母親は洗練された説得をしない傾向にあることが示された。今後の研究として,子どもの制御パターンに対する子どもの気質や養育環境の交互作用に関する縦断的検討が望まれた。
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