ホウレンソウ連作圃場における夏期の欠株率と土壌の理化学性,糸状菌フロラ,土壌微生物バイオマスおよび呼吸活性の関係

概要

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ホウレンソウ連作農家14圃場の土壌の理化学性,糸状菌相,土壌微生物バイオマスおよびバイオマス当たりの呼吸活性を夏期に調査した。対象地域は減化学肥料のハウス栽培を行なっており,肥料成分は主に豚ふん堆肥に依存しており,年間施用量は30-120t ha^<-1>であった。ホウレンソウの欠株面積率は25〜80%であった。欠株率と有意な単相関関係を示す土壌の理化学性や根の糸状菌密度要因はなかったが,重回帰分析により土壌微生物バイオマスや呼吸活性を説明変数として含むモデルが得られ,これらの要因の関与の可能性が推察された。また,バイオマスを多くするためには水溶性有機物や水溶性カリが多く,硝酸態窒素が少ない条件が必要と推察された。家畜ふん堆肥に偏重した栽培では,肥料成分および随伴陰イオン成分の蓄積による塩類集積や肥料成分のアンバランスなどの土壌化学性の悪化のみならず,生物性に関してもバイオマスの減少や呼吸活性の低下などの悪化が生じており,これらのことが総合的に土壌病害の発病を助長しているものと考えられた。
2011-11-01