リン脂質脂肪酸およびキノンプロファイル法を用いた家畜ふん堆肥連用圃場における土壌微生物相の解析
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
有機物の施用は土壌の生物性を改善すると言われているが,有機物の施用が土壌の生物性に及ぼす影響についての研究事例は少ない。そこで,土壌から抽出したPLFA及びキノンを解析することで,有機物として家畜ふん堆肥を連用した圃場における土壌微生物群集構造の変動を明らかにした。家畜ふん堆肥の多量施用区でPLFA含量およびPLFA組成に基づく多様性指数が高かった。これに対し,糸状菌の指標PLFAである18:2ω6,9の含有率(mol%)は化成肥料区で顕著に高く,家畜ふん堆肥連用区では比較的低い傾向にあった。また,家畜ふん堆肥施用区でキノン含量およびキノン組成に基づく多様性指数が高かった。化成肥料区に特徴的な要因として,ユビキノン含有率(mol%),特にユビキノンのQ7とQ10の含有率(mol%)高かった。PLRへ組成またはキノン組成に基づきクラスター解析,主成分分析を行ったところ,PLFA組成は施用した有機物の種類ではなく有機物の施用量に大きく影響を受けていることが示されたのに対し,キノン組成は,施用した有機物の種類に大きく影響を受けていることが示された。
- 2011-11-01
著者
-
堀 兼明
農研機構近中四農研
-
堀 兼明
近畿中国四国農業研究センター
-
堀 兼明
農業技術研究機構近畿中国四国農業研究センター野菜部
-
浦嶋 泰文
東北農業研究センター
-
村上 敏文
東北農業研究センター
-
中嶋 美幸
東北農業研究センター
-
金田 哲
農業環境技術研
-
金田 哲
(独)農業環境技術研究所 生物生態機能研究領域
-
浦嶋 泰文
農業技術研究機構 東北農研セ
-
浦嶋 泰文
中央農業総合研究センター
関連論文
- P-17 農耕地黒ボク土における可給態リン濃度の細菌と糸状菌の群集構造に及ぼす影響(ポスター発表)
- 飼料のマグネシウム(Mg)・カリウム(K)・カルシウム(Ca)含量測定の迅速化 : 2. 比色法による定量
- 飼料のマグネシウム(Mg)・カリウム(K)・カルシウム(Ca)含量測定の迅速化 : 1. 希塩酸抽出法による前処理の検討
- 6-24 リン脂質脂肪酸分析による有機物連用畑の微生物相の解析(6.土壌生物)
- ホウレンソウ抗酸化活性に対する収穫直前の遮光除去の影響
- P12-4 ホウレンソウに含まれる抗酸化物質と抗酸化活性の関係(12. 農産物の品質・成分, 2006年度秋田大会講演要旨)
- ホウレンソウの抗酸化活性に及ぼす夏季遮光および冬季二重被覆の影響(12. 農産物の品質・成分, 2004年度大会講演要旨集)
- '岩津ネギ'栽培における施肥量並びに窒素形態がさび病発生に及ぼす影響
- 除草剤(グリホサート系)散布が不耕起畑のヨコハラトガリミミズの生息密度及び糞排泄速度に及ぼす影響
- 23 ホウレンソウ連作圃場における細菌群集構造の解析(東北支部講演会,2008年度各支部会)
- S12-6 樹皮炭施用によるコマツナおよびホウレンソウの硝酸塩含量低減化(S12.安全・安心野菜の作り方-葉菜類編-,12.農産物の品質・成分,日本土壌肥料学会 2005年度大会講演要旨集)
- P6-5 コマツナ連作が土壌のリン脂質脂肪酸組成に及ぼす影響(ポスター紹介,6.土壌生物,日本土壌肥料学会 2005年度大会講演要旨集)
- 堆肥抽出液に浸したコマツナ葉の新鮮重を減少させる要因(19. 肥料および施肥法, 2004年度大会講演要旨集)
- ホウレンソウとコマツナの抗酸化活性および抗酸化物質含量に対する栽植密度の影響
- 39 有機物施用畑におけるコマツナの品質(関東支部講演会)
- 16-9 高C/N有機物の施用によるコマツナの硝酸含量の低減(16.畑地土壌肥よく度)
- 12-14 コマツナの抗酸化活性の変動に及ぼす夏期遮光および冬季二重被覆の影響(12.農産物の品質・成分)
- P11-7 マルチカラー染色法による根系分布の解明 (第2報) : 野外におけるトマトの例(11. 植物の栄養生態, 2006年度秋田大会講演要旨)
- 染色法による圃場で生育するトマトの根の分布解明
- 土壌バイオマス窒素測定におけるペルオキソ二硫酸カリウム分解-紫外吸光光度法およびニンヒドリン発色法の評価
- 有機農業実践圃場と慣行栽培圃場のリン脂質脂肪酸の実態
- 6-34 有機物連用圃場における微生物群集構造解析(6.土壌生物,2009年度京都大会)
- 31 化学肥料の施用が有機物連用土壌の微生物性に及ぼす影響(東北支部講演会,2007年度各支部会)
- 6-2 有機農法実践圃場における畑土壌の微生物性評価(6.土壌生物,2007年度東京大会)
- 市販キットを用いたATP測定による簡易な土壌バイオマス評価法の開発
- 17 テンションライシメータを用いた不耕起畑における窒素溶脱モニタリング(東北支部講演会,日本土壌肥料学会 支部講演会講演要旨集 2005年度)
- 1 有機物添加による土壌のリン脂質脂肪酸組成の変動(東北支部講演会,日本土壌肥料学会 支部講演会講演要旨集 2005年度)
- P1-17 ミミズが養分溶脱に与える影響(ポスター紹介,1.物質循環・動態,日本土壌肥料学会 2005年度大会講演要旨集)
- P1-16 不耕起圃場における水分移動について(ポスター紹介,1.物質循環・動態,日本土壌肥料学会 2005年度大会講演要旨集)
- 細菌群集構造解析のための植物根からの迅速かつ簡便なDNA抽出法
- 18 土壌バイオマス窒素測定におけるニンヒドリン発色法、紫外吸光光度法の評価(関西支部講演会,2007年度各支部会)
- 7 有機物連用圃場における施肥条件およびマルチの有無がタマネギの抗酸化活性に及ぼす影響(関西支部講演会,2007年度各支部会)
- P12-11 タマネギのケルセチン含量や生育などからみた家畜糞堆肥施用条件の検討(ポスター紹介,12.農産物の品質・成分,2008年度愛知大会)
- 乾燥・貯蔵条件がタマネギのケルセチン含量に及ぼす影響
- 20 化成肥料・堆肥連用圃場におけるエダマメ栽培期間中の微生物バイオマス炭素および抽出DNA濃度の変動(関西支部講演会,2006年度各支部会)
- 12-5 有機物連用圃場における施肥条件およびマルチの有無がタマネギの生育、貯蔵性と品質に及ぼす影響(12.農産物の品質・成分,2007年度東京大会)
- 7-6 各種作物を栽培した軽石培地のトマト青枯病抑制能(7.土壌病害,2007年度東京大会)
- 5-6 堆肥連用圃場における微生物バイオマス等の周年変動(5.土壌生化学,2007年度東京大会)
- タマネギの抗酸化活性測定に適した抽出条件の検討
- 15 紫外線カットフィルム及び熱線カットフィルムがホウレンソウの抗酸化活性に及ぼす影響(関西支部講演会, 2005年度各支部会講演要旨)
- 8 青枯病拮抗細菌による病害抑制機能の安定的な発現条件の解明 : 軽石および植物根の微生物DNA抽出法の検討(関西支部講演会, 2005年度各支部会講演要旨)
- P6-4 硝化菌数に及ぼす化成肥料多量連用の影響(6. 土壌生物, 2006年度秋田大会講演要旨)
- ホウレンソウ水耕栽培時の培養液濃度および培養液組成変更による抗酸化活性の変化
- 家畜ふん堆肥連用畑土壌におけるカリウム,マンガン,鉄,銅および亜鉛の存在形態と希塩酸抽出性
- 33 ホウレンソウの栄養環境による機能性成分の消長と変動要因の解明(関西支部講演会)
- ホウレンソウ種子へのPGPRの接種・定着法
- 葉菜類の直売および産直販売過程における内容成分および抗酸化活性変動の実態
- 4-25 集約畑作における根圏微生物の生態と制御 : (第7報)堆肥施用圃場における土壌消毒が土壌微生物相に及ぼす影響(4. 土壌生物)
- 家畜ふん堆肥を連用した野菜栽培農家圃場および試験圃場における亜鉛の蓄積実態
- ホウレンソウに対するPGPRの検索
- ホウレンソウの減化学肥料ビニルハウス栽培農家土壌の実態--京都府夜久野町の事例
- 家畜糞堆肥連用圃場におけるマルチを利用したダイコンの栽培
- 6 根圏微生物相の制御による野菜安定生産技術の開発(第6報) : ホウレンソウ周年栽培連作圃場の生産不安定土壌要因(関西支部講演会)
- 5 根圏微生物相の制御による野菜安定生産技術の開発(第5報) : 堆肥連用圃場における微生物活性に及ぼす塩類濃度の影響(関西支部講演会)
- 4 根圏微生物相の制御による野菜安定性産技術の開発(第4報) : 土壌の呼吸活性に及ぼす有機物の種類の影響(関西支部講演会)
- 3 根圏微生物の制御による野菜安定生産技術の開発(第3報) : 水耕栽培ホウレンソウに対する蛍光性シュードモナス属細菌接種の効果(関西支部講演会)
- 6-32 根圏微生物相の制御による野菜安定生産技術の開発(第8報) : 土壌微生物活性に及ぼす肥料塩類濃度の影響(6.土壌生物)
- 6-31 根圏微生物相の制御による野菜安定生産技術の開発(第7報) : ホウレンソウ根における蛍光性シュードモナス属細菌の移動(6.土壌生物)
- 19 養液栽培における窒素の形態及び濃度がホウレンソウの硝酸、シュウ酸含有量に及ぼす影響(関西支部講演要旨)
- 湛液型水耕栽培における窒素の濃度及び形態がホウレンソウの硝酸,シュウ酸含量に及ぼす影響
- 27 根圏微生物相の制御による野菜安定生産技術の開発(第2報) : 無菌水耕栽培による蛍光性シュードモナス属細菌の植物生育促進能の検定(関西支部講演要旨)
- 26 根圏微生物相の制御による野菜安定生産技術の開発(第1報) : ホウレンソウ連作圃場の土壌微生物相について(関西支部講演要旨)
- 6 塩類ストレス条件における野菜の生理機能に関する研究 : 培地の塩類濃度と葉菜類のポリアミン含量との関係(関西支部講演要旨)
- 職務作成プログラム「MPN (最確値) 法による土壌微生物密度推定のためのVisual BASICプログラム」の利用マニュアル
- 有機栽培農家圃場の土壌の実態
- 画像解析による細菌の運動性解析
- 10 ホウレンソウの流通過程における内容成分および抗酸化活性変動の実態(関西支部講演会,日本土壌肥料学会 支部講演会講演要旨集 2005年度)
- エタノール抽出およびメタリン酸抽出による野菜類の抗酸化活性の比較
- 土壌管理来歴の異なる圃場における細菌相の多様性解析(6. 土壌生物, 2004年度大会講演要旨集)
- ホウレンソウの抗酸化活性および抗酸化物質含量に対する培養液組成の影響
- 33 水溶性有機物の収穫前施用がホウレンソウの硝酸態窒素含量に及ぼす影響(関西支部講演会)
- 13 有機物施用来歴の異なる土壌に対する高C/N未分解有機物施用の影響(関西支部講演会)
- 12 PCR-DGGE法による有機物連用土壌の細菌群集構造解析(関西支部講演会)
- 12-7 培養液の窒素形態変更がホウレンソウの硝酸、シュウ酸、アスコルビン酸含量に及ぼす影響 : 湛液型とNFT型による効果の違い(12.農産物の品質・成分)
- 6-25 減化学肥料栽培における緑肥利用に関する研究 : 4)緑肥鋤込み後のバイオマス炭素の変動(6.土壌生物,日本土壌肥料学会 2005年度大会講演要旨集)
- 分子生態学的な微生物解析手法の土壌肥料研究への活用(2010年札幌大会シンポジウムの概要)
- ホウレンソウ連作圃場における夏期の欠株率と土壌の理化学性,糸状菌フロラ,土壌微生物バイオマスおよび呼吸活性の関係
- リン脂質脂肪酸およびキノンプロファイル法を用いた家畜ふん堆肥連用圃場における土壌微生物相の解析
- 牛ふん堆肥,豚ふん堆肥または化成肥料の連用とフィルムマルチの有無が土壌微生物バイオマスとバイオマス当たりの呼吸活性に及ぼす影響
- 6-16 有機栽培転換初期における微生物群集構造の変動(6.土壌生物)
- 6-34 ホウレンソウ連作圃場における土壌微生物群集構造の解析(6.土壌生物)
- 16-16 緑肥作物のすき込みが後作物のリン吸収に及ぼす影響 : 土壌のリン溶解菌密度とダイズ・スイートコーンのリン吸収に対する冬作緑肥の効果(16.畑地土壌肥沃度)
- 有機物投入畑土壌における土壌構造の発達が原生生物等の動態に及ぼす影響(2006年度大会一般講演要旨)
- 6-32 土壌の種類の違いがエチレン生成能と生産微生物に及ぼす影響(6.土壌生物)
- 地理的に異なる黒ボク土における細菌・糸状菌・線虫相と各種環境要因との関係(2010年度大会一般講演要旨)
- 全国農耕地黒ボク土壌の糸状菌と線虫の群集構造解析(2009年度大会一般講演要旨)
- トマト青枯病菌を接種した軽石培地およびトマト根の細菌群集構造の経時的変化(2006年度大会一般講演要旨)
- 有機農業実践圃場と慣行栽培圃場のリン脂質脂肪酸の実態
- ホウレンソウ連作圃場における糸状菌群集構造の解析(2008年度大会一般講演要旨)
- 細菌群集構造解析のための植物根からの迅速かつ簡便なDNA抽出法
- トマト青枯病菌,青枯病拮抗菌を接種したトマト根の細菌群集構造の解析(2007年度大会一般講演要旨)
- ワラ類と堆肥の併用が微生物バイオマス・呼吸活性と細菌フロラに及ぼす影響(2006年度大会一般講演要旨)
- クロタラリア茎葉や堆肥を添加した土壌の微生物バイオマスとバイオマス当たりの呼吸活性
- 牛ふん堆肥, 豚ふん堆肥または化成肥料の連用とフィルムマルチの有無が土壌微生物バイオマスとバイオマス当たりの呼吸活性に及ぼす影響
- 根圏微生物相の制御による野菜の安定生産技術の開発(第11報) : 蛍光性シュードモナスのホウレンソウ根定着における有機物の効果(2001年度大会一般講演要旨)
- ノンストレス固形肥料がホウレンソウの生育と微生物の呼吸活性に及ぼす影響(2003年度大会一般講演要旨)
- クロタラリア茎葉や堆肥を添加した土壌の微生物バイオマスとバイオマス当たりの呼吸活性
- 職務作成プログラム「MPN(最確値)法による土壌微生物密度推定のためのVisual BASICプログラム」の利用マニュアル
- 肥料塩類の多量施用が土壌微生物バイオマスとバイオマス当たりの呼吸活性に及ぼす影響
- エタノール抽出およびメタリン酸抽出による野菜類の抗酸化活性測定値の比較