フォークトラント周辺地域における楽器製造の歴史と現状 : 予備調査から見る問題点
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概要
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本稿は17世紀から楽器製造で知られたドイツとチェコの国境地帯において、共産主義体制下で形を変えつつ生き残ったその伝統が1989年の体制転換を経た現在どうあり、将来どのようにあり続けようとするのかを検証するプロジェクトの予備調査の報告である。共産主義体制下の東ドイツとチェコで楽器産業は安価な大量生産品を主に送り出していた。ドイツ統一を経た旧東ドイツ地域の調査地では、楽器製造を町の特色とし、地域再生のアイコンとして打ち出しつつ、博物館や多様なイヴェントとも連動させた観光化も進めている。また、楽器作りの伝承を系統的に進める学校が地域と繋がりつつ機能している様子も確認した。一方、ドイツにごく近く、多くの楽器と職人を送り出したチェコでは、体制転換後は楽器産業が衰退に転じ、系統的な伝承も先細り気味である。この地域製の楽器のコレクションの公開、楽器産業と結びつけた観光化も、今回の調査で確認できなかった。
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