永久歯先天性欠如の発現様式のメタアナリシス
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概要
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<背景>日本人を対象として永久歯先天性欠如の発現頻度と発現部位について調査した報告は多いが,結果の一致がみられていない.本研究の目的は,メタアナリシスの手法を用いて日本人と白人でそれぞれ調査結果の報告を統合化して日本人と白人の比較を行うことで,日本人の永久歯先天性欠如の特徴をいっそう明らかにすることである.<方法>まず,日本人一般集団:研究数18件,日本人矯正患者:研究数12件,白人一般集団:研究数27件,ならびに白人矯正患者:研究数7件の調査結果が選択され,それらの結果が統合化された後,永久歯先天性欠如の発現頻度と発現部位について日本人と白人との間で比較し統計学的に分析された.<結果>永久歯先天性欠如の発現頻度の重み付き平均値(95%信頼区間)は,日本人一般集団:5.3%(3.8-7.5%),日本人矯正患者:9.6%(9.0-10.2%),白人一般集団:5.8%(5.0-6.8%),ならびに白人矯正患者:9.7%(6.1-15.1%)であった.日本人一般集団と白人一般集団との間および日本人矯正患者と白人矯正患者との間において,発現頻度に統計学的な有意差は認められなかった.日本人において,下顎切歯と下顎第二小臼歯の先天性欠如が高頻度にみられたのに対し,白人においては下顎第二小臼歯の先天性欠如が最も高頻度にみられた.日本人と白人ともに,女性は男性に比べて永久歯先天性欠如の発現頻度が大きく,統計学的な有意差が認められた.<結論>日本人と白人との間の永久歯先天性欠如について総合的に比較した結果,発現頻度に差は認められなかったが,永久歯先天性欠如が高頻度にみられる部位については両人種間で異なる傾向が認められた.
- 2011-10-25
著者
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新井 一仁
日本歯科大学歯学部歯科矯正学教室
-
新井 一仁
日本歯科大学歯学部歯科矯正学講座
-
新井 一仁
日歯大・生命歯・矯正
-
呉 健一
日本歯科大学生命歯学部歯科矯正学講座
-
呉 健一
日本歯科大学生命歯学部 歯科矯正学講座
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