日本人Angle I級叢生の下顎における歯列弓と歯槽基底弓の形態

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<目的>FA pointとWALA pointを用いて前歯部に叢生を伴うAngle I級不正咬合の下顎における歯列弓と歯槽基底弓の形態的特徴について検討すること.<方法>正常咬合者(N群:男性17名,女性17名)と前歯部に叢生を伴うAngle I級不正咬合者(C群:男性17名,女性17名,irregularity index≧4mm)の下顎口腔模型に,非接触三次元形状計測システムを用いて,両側第一大臼歯間の各歯にFA point,歯槽基底弓にWALA pointをそれぞれ設定した.ついで歯列弓と歯槽基底弓で犬歯部と大臼歯部の幅径と長径,大臼歯部幅径に対する犬歯部幅径の比,および歯槽基底弓に対する歯列弓の唇頬舌的位置関係を算出後,両群間で統計学的検定(対応のないt検定)を行った.さらに,犬歯部と大臼歯部の幅径および大臼歯部幅径に対する犬歯部幅径の比について,歯列弓と歯槽基底弓との間で相関係数を算出して相関について有意性の検定を行った.<結果>C群の幅径はN群よりも有意に小さく,長径と形態を表す比では両群間で有意差が認められず,歯列弓の歯槽基底弓に対する唇頬舌的位置関係は,犬歯のみでC群のほうが有意に唇側に位置していた.歯列弓の幅径と歯槽基底弓の幅径との間では,両群ともに有意な正の相関が認められたが,N群の形態を表す比には有意な正の相関が認められたのに対し,C群では認められなかった.<結論>前歯部に叢生を伴うAngle I級不正咬合の歯列弓と歯槽基底弓の幅径はともに小さく,犬歯では歯列弓が歯槽基底弓に対して有意に唇側に位置し,歯列弓幅径と歯槽基底弓幅径との間には有意な正の相関関係が認められたが,歯列弓形態を表す比と歯槽基底弓形態を表す比との間には,相関関係は認められなかった.
2011-10-25

日本人Angle I級叢生の下顎における歯列弓と歯槽基底弓の形態

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