透析患者の水分処置後のリドカインテープ貼用による穿刺時疼痛の変化
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概要
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【目的】本研究は、透析患者の穿刺部位に水分処置を実施した上でリドカインテープを貼用し、穿刺時痛をNumerical Rating Scale(NRS)にて測定し、水分処置のケアに役立つ基礎資料を得た。【方法】関西圏内の透析施設に通院している透析施設に通院している透析患者の水分処置前後の皮膚評価(経皮水分蒸散量→角質水分量→皮膚pH)を行い、穿刺時の疼痛の程度を0-10のNRSにて測定した。【結果】対象者は、男性20名女性6名で平均透析年数10.1年であった。普段のリドカインテープの平均貼用時間は154.0分間で、水分処置時の平均貼用時間は45.3分間であった。経皮水分蒸散量(TEWL)の平均値は水分処置を行わなかった場合12.28±5.75g/平方メートルh、水分処置を行った場合は48.6519.04g/ 平方メートルhであった。角質水分量の平均値は28.50±6.57AUから47.32±15.77AU、皮膚pHは5.28±0.57から5.69±0.44に変化した。【考察】水分処置を行うことで、TEWL及び角質水分量の上昇を認めたが、水分処置後のリドカインテープ貼用が、疼痛軽減に繋がるとの結果には至らなかった。しかし、水分処置により疼痛が減少または変化がなかった患者もいた。今後、測定環境の調整、テープ貼用時間の統一や穿刺技術の差を少なくする工夫を行い、同一被験者を継続して調査することで、透析患者の穿刺時痛の軽減に繋がると考える。
著者
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神谷 千鶴
京都大学 大学院医学研究科人間健康科学系専攻
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神谷 千鶴
関西看護医療大学看護学部成人看護学
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松原 美紀
関西看護医療大学看護学部基礎成人看護学
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犀川 由紀子
関西看護医療大学看護学部基礎成人看護学
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江川 隆子
関西看護医療大学看護学部基礎成人看護学
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神谷 千鶴
関西看護医療大学看護学部基礎成人看護学
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犀川 由紀子
関西看護医療大学看護学部基礎・成人看護学
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