ポリアルキルフルオレン有機発光トランジスタの紫外光照射による電気的光学的特性への影響(有機材料・一般)

概要

論文の詳細を見る
poly(9,9dioctylfluorenyl-2,7-diyl)(F8)を有機半導体層に用いたトップゲート型有機電界効果トランジスタ(OFET)の作製とその電気的光学的特性を検討した。F8を用いたOFETは両極性を示し、適切なゲート電圧を印加する事で、正孔と電子を同時に有機半導体層に注入でき、青色発光を示した。また、溶液プロセスのみでOFETを作製するため、ゲート電極に銀ナノインクを用いることを検討した。ゲート絶縁膜に用いたアモルファスフッ素系樹脂Cytop^[○!R](旭硝子)は撥水性が高く通常その上部に銀ナノインクを用いることができないが、窒素と酸素の混合雰囲気中で紫外光を照射することにより、Cytopの表面エネルギーが上昇し、溶液プロセスを用いて銀ナノインクを成膜できるようになることが明らかになった。これより、溶液プロセスのみで発光OFETを作製できる可能性を見出した。しかし、紫外光を照射することによりF8が劣化し、OFETのn型飽和特性が見られなくなりEL発光を示さなくなるということが明らかになった。これは紫外光照射により、F8に酸素由来の結合が生成され、電子トラップとなっていることが示唆される。
2011-09-15