大脳皮質のノイズ情報処理 : 自発ノイズの起源と機能(知的システム,一般)
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概要
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大脳皮質の神経細胞ネットワークは,動物が外部からの感覚刺激を受けていない時も自発的な発火活動を持続している.この活動は,発火率が数ヘルツ程度と低く,細胞間の同期性が低い,発火時系列の不規則性が高い,興奮と抑制の活動に強い相関がある,膜電位の脱分極状態(UP state)を伴う,時間精度の高い時系列構造が散見される等の一見矛盾する様な幾つもの特徴を合わせ持つ.この活動は大脳皮質情報処理における一種の基底状態であると考えられるが,その起源と情報処理的な意味は未解明たった.本研究では興奮性神経細胞間の結合強度の分布がロングテール分布の一つである対数正規分布に従っていると仮定する事で,この自発的な不規則持続活動が極めて安定して再現出来る事を示す.またその結合規則と持続発火活動の特性から,大脳皮質での揺らぎの機能が自然に推察出来る事も示す.
- 2011-07-18
著者
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深井 朋樹
理研BSI
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深井 朋樹
科学技術振興事業団crest
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深井 朋樹
玉川大学工学部
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寺前 順之介
理化学研究所
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深井 朋樹
理化学研究所 脳科学総合研究センター
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寺前 順之介
理化学研究所:jstさきがけ数学
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深井 朋樹
理化学研究所脳科学総合研究センター:東京大学大学院新領域創成科学研究科
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寺前 順之介
理化学研究所脳科学総合研究センター:さきがけ科学技術振興機構
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寺前 順之介
理化学研究所脳科学総合研究センター,JSTさきがけ
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深井 朋樹
理研BSI:東大新領域
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