皮質神経細胞の不規則発火時系列が示唆する条件付きエントロピー最小化原理(脳活動の計測と解析,生命現象の非線形性,一般)
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概要
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活動中の動物の大脳皮質神経細胞から記録されるスパイク時系列は不規則であることが知られている.脳の機能を知るためには,この不規則時系列がどのように生成されているかを調べることが重要である.そこで,自発前肢運動課題中のラット大脳皮質運動野の神経細胞から傍細胞記録を行い,スパイク時系列を記録した.その結果,スパイク間隔はべき分布を示した.この結果は,インビボでは発火率が時間変動しその変動がガンマ分布に従うことを示唆している.さらにこの発火率のガンマ分布は,発火率をスパイク間隔に変換する際のノイズ(条件付エントロピー)を最小化する分布であり,発火率は条件付エントロピーを最小化するようにデザインされていることを示唆している.
- 2009-07-06
著者
-
深井 朋樹
理研BSI
-
礒村 宜和
理研脳総研
-
深井 朋樹
理化学研究所脳科学総合研究センター
-
深井 朋樹
科学技術振興事業団crest
-
深井 朋樹
玉川大学工学部
-
坪 泰宏
理化学研究所脳科学総合研究センター
-
礒村 宜和
理化学研究所脳科学総合研究センター
-
深井 朋樹
理化学研究所 脳科学総合研究センター
-
深井 朋樹
理化学研究所脳科学総合研究センター:東京大学大学院新領域創成科学研究科
-
坪 泰宏
理研BSI脳回路機能理論研究チーム
-
深井 朋樹
理研BSI:東大新領域
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