ローリスク群およびハイリスク群ヒトパピローマウィルスが検出された結膜乳頭腫の1例
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概要
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【背景】結膜乳頭腫の発症にはヒトパピローマウィルス(HPV)の関与が示唆されている.【緒言】切除検体よりローリスク群およびハイリスク群HPV両者が検出された再発性の結膜乳頭腫の症例を経験したので報告する. ,【症例】35歳男性.1年ほど前から認めていた左上下眼瞼結膜腫瘤に対し他院にて治療されていたが、再発を認めたため、当科紹介初診.既往歴としてアトピー性皮膚炎を認める。当科にて冷凍凝固併用腫瘍切除施行し、切除検体にて乳頭腫と診断したが、約1年後再発を認め再度切除.再発時、ハイブリッドキャプチャー法にてHPV-DNA検索施行し、ローリスク群およびハイリスク群ともに陽性であった.その後約1年経過観察していたが、その間再発は認めなかった.,【考按】結膜乳頭腫におけるHPVの型は、ローリスク群の6、11型が多いとされているが、まれに16、18、33、45型というハイリスク群に含まれる型の報告がなされている.ハイリスク群は子宮頸癌や結膜扁平上皮癌などの悪性腫瘍を高率に引き起こす型である.結膜乳頭腫においてハイリスク群が陽性となることはまれで、アトピー性皮膚炎による全身的な細胞性免疫の低下が易感染性の原因となっていることも考えられる.ハイリスク群陽性の場合には全身および眼局所において悪性腫瘍発生の可能性も否定できず、今後の注意深い経過観察が必要と考えられた.
- 2012-01-31
著者
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木全 奈都子
東京女子医科大学眼科学教室
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木全 奈都子
朝霞台中央総合病院眼科;東京女子医科大学医学部眼科学
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水落 誠/木全
朝霞台中央総合病院眼科/朝霞台中央総合病院眼科
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木全 奈都子
朝霞台中央総合病院眼科
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水落 誠
朝霞台中央総合病院眼科
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