感染性結膜炎の診断
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概要
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結膜炎は、眼科の外来診療で日常的によくみられる疾患である.結膜炎が感染性か、非感染性かを早期に判断することは、感染の流行を予防するうえで重要なことである.感染性結膜炎では、代表的病原体に細菌、ウイルス、クラミジアがあるが、実際にこれらの原因をつきとめることは容易ではない.これまでに我々は、感染性結膜炎のうち特にアデノウイルス、単純ヘルペスウイルスおよびクラミジアの病因診断法について検討し、それぞれの診断に有用な結果を得てきた.アデノウイルス結膜炎では、蛍光抗体直接法が発症早期の迅速診断法として有用と考えられた.一方、単純ヘルペス結膜炎では、上皮病変以外の結膜からの抗原検出は困難であった.また、クラミジア結膜炎では、上咽頭炎の合併が多いことを指摘し、血清抗クラミジア抗体は高頻度に検出され補助的診断となりうると考えられた.これらの結果を引用し、鑑別診断に重要な因子である臨床経過、臨床所見、病原体の検出について解説し、感染性結膜炎の診断のポイントをまとめた.
- 2012-01-31
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