特発性肺動脈性肺高血圧症の急性増悪に対して緊急生体肺葉移植術を断念した1例

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概要

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今回我々は特発性肺動脈性肺高血圧症の急性増悪症例に対して、緊急生体肺葉移植術を断念した1例を報告する。症例は27歳、女性。特発性肺動脈性肺高血圧症の急性増悪にて当院緊急入院となった。人工呼吸器管理、エポプロステノール持続投与、一酸化窒素吸入、持続的血液濾過透析、経皮的心肺補助装置などの集学的治療が行われたが、状態は改善しなかった。救命の最終手段として緊急生体肺葉移植術が検討され、適切な2人のドナー検査が迅速に行われた。しかし原疾患の悪化により臓器不全の状態となったこと、経皮的心肺補助装置下での移植成績は悪いことにより、移植を断念せざるを得なかった。特発性肺動脈性肺高血圧症の急性増悪に備え、緊急生体肺葉移植を常に念頭に置いた準備を心がけるべきである。また、このような急性増悪症例に対する移植手術の指針作りが急務である。
2011-12-25

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