複合治療により長期生存している大腸癌の多発肺気管支転移症例

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背景.2005年の大腸癌治療ガイドラインでは,肺転移巣の切除が可能であれば,肺切除を考慮するとされている.また,肺転移巣切除後の5年生存率は30〜60%と比較的良好であることから,大腸癌肺転移や気管支内転移に対しては,積極的治療が有効と考えられる.症例.当時66歳の女性.大腸癌でS状結腸切除を施行されたが,3年後に,胸部CTで左S^<1+2>とS^<10>に肺転移を指摘された.ともに部分切除を施行したが,その1年後に左S^<10>に再発し,下葉切除を施行した.その後の気管支鏡で,左主気管支の入口部に壁内転移が認められ,光線力学療法を2回施行した.しかし根治できず,増生してくる腫瘍に対し半導体レーザーで照灼し,FOLFOX6の化学療法を施行した.その後,腫瘍により左主気管支が閉塞したため,同部に対し放射線治療を行い,いったんは開存したものの,再閉塞した.Dumonステントを留置して右気道のみを確保した.現在,多発肺転移があり,右B^6から腫瘍が突出し底区気管支を閉塞してしまうため,半導体レーザーによって外来通院で焼灼を続けているが,転移より4年半経過している.結論.大腸癌では,多発肺気管支転移をきたした症例でも,多方面からの積極的な治療を行うことにより,QOLを保ちながら延命効果が得られることが示唆された.
2010-05-25

複合治療により長期生存している大腸癌の多発肺気管支転移症例

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