オールパスフィルタを用いたキンカンクス画像ウェーブレット符号化(この論文は研究会登録者以外の方は購入できません)

概要

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近年,画像圧縮においてウェーブレット変換が幅広く用いられており,その成功例として静止画像の国際規格である JPEG2000 がある.しかし,JPEG2000 で使用されているウェーブレット変換は双直交であり,冗長性がある.そこで,より良い圧縮性能を実現するため,直交条件と完全線形位相条件を同時に満たすオールパスフィルタを用いたウェーブレット変換が提案され,優れた画像圧縮性能を実現できた.2 次元ウェーブレット変換は,一般に,1 次元ウェーブレット変換を水平または垂直方向に適用して実現されるため,量子化の際視覚システムに重要な水平と垂直方向の高周波成分が削減されやすい問題点を抱えている.本稿では,この問題点を解決するため,Quincunx サンプリングにより,2 次元オールパスフィルタを用いた非分離型ウェーブレット変換を実現し,視覚システムに適した特性をもつウェーブレットフィルタを設計する.提案したウェーブレット変換を静止画像符号化に応用し,従来の圧縮手法と圧縮性能について比較する.
2011-12-08