ヒラタケをモデルとしたDNA分析による品種識別
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概要
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きのこの品種間の関係を明確にする技術としてヒラタケをモデルとして,mtSSU rDNA,核rDNAのITS領域の塩基配列の比較およびRAPD法による品種識別について総合的に比較した.mtSSU rDNAのV4領域の塩基配列の比較では,供試ヒラタケ菌株の塩基配列は99%以上の相同性を示し,この方法は,品種識別に利用できなかった.核rDNA ITS領域の塩基配列の分析では,ヒラタケの7菌株の塩基配列とデータバンクより得た塩基配列データは3つのクラスターに分かれたが,今回供試した菌株の多くは1つのクラスターを形成し,この方法でも識別に適さないことが判明した.そこで,核DNAのRAPD分析を行ったところ,ITS領域の分析で同一クラスタ-に属した菌株は,それぞれ異なるクラスターに分かれ,識別された.ITS 領域の分析で遺伝的距離の遠いクラスターにわかれた菌株はRAPD分析においても,遠いクラスターに位置した.以上の結果から,ヒラタケの品種の識別には,RAPD分析が有効であることが示唆された.
- 日本きのこ学会の論文
- 2006-10-25
著者
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会見 忠則
鳥取大学農学部
-
磯田 徹
高崎健康福祉大学
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佐藤 禎子
浅野産業株式会社アサノライフサイエンス研究所
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磯田 徹
浅野産業株式会社アサノライフサイエンス研究所
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北本 豊
浅野産業株式会社アサノライフサイエンス研究所
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佐藤 禎子
浅野産業(株)ライフサイエンス研究所
-
北本 豊
浅野産業(株)ライフサイエンス研究所
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