ハナビラタケ子実体の貯蔵中における炭水化物および有機酸の変化

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ハナビラタケ子実体中の5貯蔵温度(30,20,10,5,0℃)における無包装貯蔵および密封包装貯蔵(厚さ100μmのポリエチレンフィルム袋)の低分子炭水化物,酢酸可溶多糖(グリコーゲン様多糖),有機酸含量の変化について検討した.(1)ハナビラタケの無包装貯蔵の鮮度保持期間は,30℃で4日,20℃で7日,10℃で14日,5℃で18日,0℃で19日であった.厚さ100μmのポリエチレンフィルム袋を用いた密封包装貯蔵の鮮度保持期間は,30℃で4日,20℃で7日,10℃で12日,5℃で16日,0℃で17日であり,密封包装貯蔵は鮮度保持期間を延長する効果はなかった.(2)子実体からトレハロース,グルコース,フルクトース,マンニトール,アラビトールおよびグリセロールが検出され,主成分はトレハロースとマンニトルであった.貯蔵中,各成分の含量は減少した.特にトレハロースとマンニトールの減少は顕著であり,トレハロースとマンニトールは主要な呼吸基質であることが示唆された.(3)5貯蔵温度区の貯蔵中において子実体中の酢酸可溶多糖(グリコーゲン様多糖)含量は貯蔵日数の経過および貯蔵温度の上昇にともない減少した.(4)子実体からギ酸,酢酸,シュウ酸,コハク酸,フマル酸,リンゴ酸,ピログルタミン酸,クエン酸およびイソクエン酸が同定され,主成分はリンゴ酸,ピログルタミン酸,フマル酸,およびクエン酸であった.子実体の有機酸含量は貯蔵日数の経過ならびに貯蔵温度の上昇にともない増加した.
日本きのこ学会の論文
2006-07-25

ハナビラタケ子実体の貯蔵中における炭水化物および有機酸の変化

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