ロボットラボにおけるコミュニケーション : 意思決定と教育コミュニケーション
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概要
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日本のあるロボット研究室(ラボ)における、約1ヶ月にわたるデモンストレーション開発プロジェクトをフィールド調査した。アメリカの大学での調査や日本人留学生のインタヴュー調査も利用しながら、意思決定と教育コミュニケーションについて分析を行った。組織の意思決定と言えば上意下達でトップダウンに行われていると思われがちだが、実態はその場その場で交渉されていくものであった。リーダーに従う立場である大学院生は、実現可能な提案をするなどして意思決定に大きな貢献をしていた。リーダーは開発が順調に進んでいるか、提案が時間的・技術的に可能であるかといった評価や査定を提供していた。日米での差異は、ラボの組織や院生の給与の仕組みなどをのぞいてそれほど大きなものではないようだった。映像と音声記録を収集してのミクロエスノグラフィの威力を確認するとともに、調査分析者の側における専門知識や母語話者能力の欠如といった方法上の問題が指摘された。
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