参加者全員でつくる表現活動の共同体 : 思い出ワークショップを事例として(<特集>新たな社会づくりのためのデザイン)
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概要
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現在、ブログやソーシャル・ネットワーキング・サービスのように誰もが簡単にメディア表現や情報発信できるような技術的な環境が充実しつつありるが、自分たちの手で地域に根ざした「パブリック」なネットワーク作りができるようには十分にデザインがなされてはいない。また高度な技術も個人で手に入れられる。本稿では誰もが直面する問題としてパーソナルな「思い出」を残す方法を考える「思い出を記録するワークショップ」講座を対象とした。講座を経験することで、個人の段階での次の新しい表現活動をしたいという気持ちが個人の段階に生じ、またグループでもやりたいと思えることが、継続する表現活動につながっているようである。そして「思い出」というプライベートなものを「パブリック」な表現とするためには講座という小さな他者のいる共同体ができあがり、そこから家族、知人、と表現物を共有する範囲が広がっていく。ここでの講座で主催者が提供したものは、講座のプログラムと空間であり、参加者と主催者が相補的に関係性をつくりあげていった共同体である。ここで大切だったのは、全員に表現形式の提案をすることとそれを共有することであった。
- 2011-03-01
著者
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