オーストラリアの国立公園における環境資源の保全と利用の地域的性格
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概要
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本研究はオーストラリアの国立公園について、それらの環境資源に対する保全と利用の地域的性格を明らかにしたものである。オーストラリアの国立公園は多様な要素によって性格づけられるが、それらの要素は大きく3つの基準にまとめられた。第1の基準は「資源性」であり、第2の基準は資源の保全に関わる「管理・サービス性」であり、もう1つの基準は資源を実際に利用する仕方に関わる「利用性」であった。本研究はこれら3つの基準によってオーストラリアの国立公園を3つに分類した。第1の分類は能動的な利用が行われていることを特徴とした国立公園群である。これらの国立公園は大都市圏周辺に立地し、都市住民の余暇・レクリエーション空間と機能している。第2の分類は受動的な利用を主として、管理やサービスの程度が強い国立公園群である。これらの国立公園はオーストラリア固有の脆弱な環境資源に特徴づけられ、アウトバックと呼ばれる遠隔地に多く立地している。第3の分類は国際的に高く認知された資源を持つ国立公園群である。これらの国立公園はオーストラリア固有の環境資源によって特徴づけられている。分類別に国立公園における環境資源の保全と利用の性格を検討した結果、オーストラリアの国立公園は、それぞれの地理的位置とその地域的性格に反映された環境資源をもち、その利用に対する管理やサービスの状況を変化させていた。このことがオーストラリアの国立公園における環境資源の管理システムの根底になっていた。
- 2010-03-30
著者
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