学校飼育動物の飼育における楽しさと飼育の質に関する検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
学校教育における動物飼育に対する肯定的な記憶と飼育の質との関係について検討すべく,動物関係科目を受講する大学生を対象に,小学校から高等学校までにおける飼育動物の飼育経験に関する意識調査を行った。調査から,学校で飼育されている動物の種類は主にウサギ(78%)とニワトリ(77%)で,ほぼ同じ割合の飼育率であった。76%の学生が高等学校までの学校で飼育経験を持っており,そのうち92%は飼育が楽しいと回答したが,これは担当教員の熱意と関連性が認められなかった。飼育の質を日誌の作成,餌の計量および動物の名づけに限定して調査したとこと,58%で日誌が作成されておらず,60%で給餌の際に餌が計量されていなかった。また,担当教員の熱意により,餌の計量の有無に差異が認められた。76%で飼育動物に名前がつけられており,そのうちこれら動物の名前を覚えた学生は62%であった。以上のことから,飼育は飼育状況にかかわらず楽しいということが明らかとなり,日誌の作成と餌の計量は学校教育における動物飼育の質を知る指標の一つになると考えられた。
- 2011-03-15
著者
関連論文
- P2-01 チンパンジーの道具使用開始時期の個人差の検討 : 経験か利き手か(日本動物心理学会第68回大会発表要旨)
- 学校飼育動物の飼育経験が動物に対する考え方に与える影響
- チンパンジーの子育てスタイルの継承 : 多摩動物公園の母と娘の子育てに関する事例研究
- 動物を飼育するということ : -家庭動物飼育に関する意識調査-
- 学校飼育動物の飼育における楽しさと飼育の質に関する検討
- イヌメラノコルチン2受容体遺伝子における一塩基多型の犬種間比較と「訓練能」との関連性について
- PF003 飼育下チンパンジーの探索活動と観察学習による道具使用の発達
- OD-10 多摩動物公園チンパンジーの道具使用における母親の養育態度の影響(日本動物心理学会第66回大会発表要旨)
- 飼育下チンパンジーの子育て困難 : 人工哺育は回避可能か
- トリマー(ペットの美容師)に対するイヌの行動特性評価に関するアンケート調査
- イヌ脳由来神経栄養因子(BDNF)遺伝子の多型検索および一塩基多型(-72G>A,60C>A)と活動性─恐怖性スコアとの関連性
- 行政による地域猫活動の支援状況およびその効果について
- 雑誌に掲載された広告内容からみたドッグフードの変遷
- JC10 学校現場における動物介在教育を考える(自主企画シンポジウム)