大阪湾奥部における大型底生動物の動態について : II.主要種の個体数・分布・体長組成の季節変化
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概要
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大阪湾奥部で底曳網によって採集された大型底生動物のうち主要接について夏期の生残状況を検討したところ,次の5タイプに分類された.(1)移動能力はないが貧酸素耐性が強いため大部分が生き残るもの(アカガイ),(2)移動能力が小さいかなく貧酸素耐性が弱いため全滅するもの(テナガテッポウエビ,フタホシイシガニ,トリガイ),(3)移動能力が中程度で貧酸素耐性がやや強いため一部は移動または生き残るがそれ以外は死滅するもの(シャコ),(4)移動能力が中程度で貧酸素耐性がやや弱いため一部は移動するが残りは死滅するもの(サルエビ,イシガニ),(5)移動能力が大きいため移動するが,貧酸素化が強い時には一部は死亡するもの(ヨシエビ,ガザミ,マコガレイ).大阪湾奥部は,多くの底生動物の生息場,ヨシエビ等の幼稚仔保育場や産卵場として役立っているが,夏期に多くが死に絶えることから,夏期の底層酸素濃度を大型底生生物の大部分が死なないレベルまで上げることが必要と考えられた.
- 日本海洋学会の論文
- 1997-08-29
著者
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