大阪湾におけるイカナゴ Ammodytes personatus 仔魚の鉛直分布と摂餌に対する水中照度の影響
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概要
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大阪湾において, イカナゴ仔魚の日中の鉛直分布を調査したところ, 5m層を極大として, 10m以浅の水深に集中的に分布していた。また, 浅い層の仔魚ほど多く摂餌していた。しかし水温, 塩分, および主餌料であるカイアシ類幼生の鉛直分布からは, これらの事象を説明できなかった。一方, 飼育実験の結果, 平均全長6.8mmのイカナゴ仔魚のワムシ摂餌数は明るいほど多く, 特に10lxと(10)^2lxの間で約3倍の差があった。現場海域で水中照度が(10)^2lxを下回る水深は15∿20mであったことから, イカナゴ仔魚が日中この水深帯に分布するのは, 摂餌に適した明るさを得るためであろうと考えられた。
- 公益社団法人日本水産学会の論文
- 2000-07-15
著者
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